属人化を解消する業務のデジタル化3つのステップ

結論から言うと、属人化は「あの人にしか分からない」状態を放置した結果ではなく、仕組み化の手順を踏んでいないだけです。私たちの支援先では、業務の棚卸し→手順のシステム化→定着という3つのステップで、部品表の転記や勤怠管理を「誰でも回せる仕組み」に変えてきました。この記事ではその具体的な進め方を解説します。

属人化はなぜ起きるのか — 「あの人にしかできない」の正体

属人化とは、業務の手順や判断基準が個人の頭の中やその人専用のExcelにしか存在せず、他の人には再現できない状態を指します。担当者が休んだり退職したりすると業務が止まってしまう、教育や引き継ぎに時間がかかる、といった問題の根本にはたいていこれがあります。

中小企業で属人化が起きやすいのは、決して個人の怠慢ではありません。人手が限られる中で「とりあえず動く仕組み」を優先してきた結果、業務が特定の担当者のやり方に最適化されてしまうのは、むしろ自然な流れです。属人化を解消するとは、その人の経験やスキルを否定することではなく、培ってきたノウハウを仕組みとして誰もが使える形に残すことだと私たちは考えています。

ステップ1: 業務の棚卸し — 誰が・何に・どれだけ時間をかけているかを可視化する

最初のステップは、システムを選ぶことではなく、現状を数字で把握することです。「なんとなく大変」を放置したままでは、何をデジタル化すべきかも判断できません。

私たちが支援した基板実装メーカー(製造業)では、生産管理システムとExcelにまたがる部品算定に月37時間、部品表・構成表の作成に月40時間かかっており、担当者がデータを行き来しながら手作業で突合する中で業務の属人化も進んでいました。ここまで具体的に時間を可視化できて初めて、「どこから手を付ければ効果が出るか」が見えてきます。

棚卸しの段階では、完璧な業務フロー図を作ろうとする必要はありません。「毎日誰が何にどれくらいの時間を使っているか」を書き出すだけでも、担当者本人しか把握していなかった作業の全体像が初めて見える化されます。その過程自体が、属人化を解く最初の一歩になります。

ステップ2: 手順を「システムの型」に落とし込む

棚卸しで洗い出した業務は、次に「誰がやっても同じ結果になる型」に落とし込みます。ここが属人化解消の核心部分です。

先ほどの部品算定・構成表作成の事例では、GAS(Google Apps Script)と生成AI、VBAを組み合わせて自動化した結果、部品算定は月37時間から4時間(89%削減)、部品表・構成表の作成は月40時間から8時間(80%削減)まで圧縮され、担当者以外でも算定できる仕組みに変わりました。同様に、取引先からPDFで支給される部品表(BOM)の転記も、以前は1案件あたり手入力で3〜5時間、約3,000行規模の大型図面では3〜5人日かかっていたところを、ワンクリックで5〜10分に自動化し、誰でも実行可能な状態にしています。

ポイントは、システムを入れること自体が目的ではなく、「判断や作業の手順を、人ではなく仕組みの側に持たせる」ことです。

ステップ3: 定着させ、仕組みとして回し続ける

型ができても、現場で使われ続けなければ属人化は再発します。最後のステップは、特定の担当者に依存せず全員が同じ仕組みを日常的に使う状態をつくることです。

タイムカード・紙・Excel手入力で運用していた勤怠管理を、約120名が毎日使うアプリとスプレッドシートに置き換えた事例では、勤怠関連業務を月50時間以上削減しただけでなく、集計担当者一人の負担に依存しない運用が定着しました。iPadでの打刻からメール承認、月次集計まで一連の流れが仕組み化されているため、担当者が変わっても業務が止まりません。

私たちのDX伴走支援は初期費用0円・月額のみの設計で、約2〜3ヶ月で最初のシステムが現場で動き始め、その後も現場の声を反映しながら改修を重ねて定着させるところまで伴走します。棚卸しから型化、定着まで一気通貫で進めたいという方は、まず現状の業務を一緒に整理するところから始めてみてください。

属人化の解消は、一度システムを入れて終わりという性質のものではありません。棚卸し→型化→定着の3ステップは、業務が変化するたびに繰り返す前提で考えると、無理なく回り続ける仕組みになります。まずは今いちばん「あの人にしか分からない」状態になっている業務をひとつ思い浮かべ、そこから棚卸しを始めてみることをおすすめします。

よくあるご質問

属人化はシステムを導入するだけで解消できますか?

いいえ、システムの導入だけでは不十分です。まず業務の棚卸しをして「誰が・何に・どれだけ時間をかけているか」を可視化し、手順を型に落とし込んでから仕組み化しないと、結局は特定の人しか使いこなせないツールになりがちです。棚卸し・型化・定着の3ステップをセットで進めることが大切だと考えています。

属人化の解消にはどれくらいの期間がかかりますか?

私たちのDX伴走支援は初期費用0円・月額のみの設計で、約2〜3ヶ月で最初のシステムが現場で動き始めます。その後も現場の声を反映しながら改修を重ね、定着するまで伴走しており、これまで途中解約は0件、プロジェクト継続率は100%です。

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